yuw27b’s blog

技術メモと雑記

stylelintを使い始めたので設定例など (2016年9月更新)

※2016年9月13日更新:stylelintのアップデートに伴い、ルールの記述方法が古くなっていたものがありましたので、訂正しました。

stylelintって?

名前のとおりCSSのlintツールです。
設定したルールから外れた書き方をすると警告してくれます。

CSSを書くにあたって、インデントにタブを使うのかスペースを使うのか、スペースなら何文字分にするのか、「{」の前にスペースを空けるかどうか、といった「書き方」を統一する目的で使います。バリデーション(CSSの標準仕様に準拠しているかどうかの判定)は行いません。

公式サイト:http://stylelint.io/
日本語情報だとこちらが分かりやすかったです:CSSのLintをstylelintにする - Qiita


stylelintの特徴

  • ルールのカスタマイズができる
  • ルールセットの使い分けも簡単

CSSのlintツール自体は他にもありますが、stylelintが気に入った理由は、ルールのカスタマイズが簡単、ルールセットを簡単に切り替えられる、という2点です。
私は、デザインカンプをもらってHTML+CSSをコーディングする、という作業を定期的にするのですが、クライアントさんによってCSSのコーディングルールに違いがあるため、「このクライアントさんは小数点の前にゼロを入れちゃダメだったな」とか「こっちのクライアントさんはmargin-topは禁止だったな」とか、毎回資料を確認して見直しをしていました。
stylelintであれば、クライアントごとにルールのプリセットを作成しておき、警告の出た部分を修正するだけです。設定できるルールもたくさんあるので、これまでのところ、チェックしたい項目はすべてカバーできています。


インストールする

stylelintはnode.jsとnpmを使用するので、node.jsをインストール(インストールおよびバージョン管理方法は様々あるので、検索してみてください)してから、ターミナルで

npm install stylelint

と打つとインストールされます・・・と、公式サイトにありますが、私の環境では、

npm install -g stylelint

としてグローバルにインストールしないと、パスが通りませんでした。

次に設定ファイルですが、「.stylelintrc」という名前のファイルを用意します。ルールについては、公式サイトまたは、冒頭にあげた日本語情報が分かりやすいと思います。
全ルールを網羅したサンプルもstylelintのGitHubリポジトリにあります。


.stylelintrcの例

私が基本セットとして使っているルール一覧です。
多少ゆるめのルールになっていたり、個人的な癖もありますが、それなりに一般的な「書き方」になっているかな、と思います。
(打ち消してあるプロパティは、stylelintのアップデートに伴って使用できなくなった古い表記方法です。)

string-quotessingleシングルクオートを使う
color-hex-caseupper16進数の色コードは大文字
color-hex-lengthshort色コードを省略できるときは省略する
color-no-invalid-hextrue色コードがおかしい場合に警告
number-leading-zeronever数字の前にゼロをつけない
number-no-trailing-zerostrue数字の後ろに(不要な)ゼロはつけない(「10.0px」はダメ)
number-zero-length-no-unit
length-zero-no-unit
true「0」の場合は単位なし(「margin: 0px;」はダメ)
value-list-comma-newline-afternever-multi-lineカンマの後で改行しない
value-list-comma-space-afteralwaysカンマの後は必ずスペースを入れる(「Arial, Helvetica」)
declaration-colon-space-afteralwaysコロンの後に必ずスペースを入れる(「margin:0;」はダメ)
declaration-no-importanttrue「!important」は使わない
declaration-block-no-single-linetrue1行で全部書かない(「a {color: #000; }」はダメ)
declaration-block-single-line-max-declarations01行で全部書かない(「a {color: #000; }」はダメ)
block-no-emptytrue空のブロックを許可しない
block-opening-brace-newline-afteralways「{」のあとは必ず改行
block-closing-brace-newline-beforealways「}」の前に必ず改行
block-opening-brace-space-beforealways「{」の前に必ずスペース
selector-combinator-space-afteralways「div +p」はダメ(「+」や「>」のあとに必ずスペース)
selector-combinator-space-beforealways「div+ p」もダメ(「+」や「>」の前にも必ずスペース)
selector-list-comma-space-afteralways「div, p」のとき、カンマの後に必ずスペース
rule-no-duplicate-propertiestrueプロパティの重複を警告(「display」が2個あるとか)
declaration-block-no-duplicate-propertiestrueプロパティの重複を警告(「display」が2個あるとか)
rule-trailing-semicolonalwaysルールの後に必ずセミコロン
declaration-block-trailing-semicolonalwaysルールの後に必ずセミコロン
indentationtabインデントはタブ

※設定ファイル(.stylelintrc)はこれ
設定ファイルを見てもらうと分かるのですが、上に挙げた項目のほかに、「property-whitelist」というルールにCSSの仕様上定義されている全プロパティを突っ込んでます。プロパティ名のスペルを間違えたときに警告してほしいからなのですが、もっとスマートな方法がありそうな気もしています・・・
それともやっぱりこればvalidatorの範疇かな。


使ってみる

ターミナルで、

stylelint xxx.css

とすると、ルールから外れた記述が見つかった場合に、

30:3     Expected single space after "," (selector-list-comma-space-after)
128:14 Expected "#f0bd25" to be "#F0BD25" (color-hex-case)
129:2   Unexpected duplicate property "background" (rule-no-duplicate-properties)

・・・というように出力されます。左端が行数/文字数なので、その部分を直していきます。

実行時に読み込まれるルールセットは、実行時のディレクトリにある.stylelintrcの内容が読み込まれます。.stylelintrcが見つからなければ、さらに上の階層にさかのぼって探しに行きます。


エディタのプラグインを利用してリアルタイムにチェック

このような実行方法でもいいのですが、エディタのプラグインを使えば、書いている最中にどんどん警告してくれるので便利です。
公式サイトにプラグインの一覧がありますが、現在AtomSublime Text、Visual Studio用のプラグインがあるようです。



GitHubのリポジトリを見ると、現在(2016年2月)も開発がどんどん進んでいるようです。新しいルールが追加されたりもしているようなので、何かあればまた追記したいと思います。

カレンダーUIを実装する依存なしのJavaScriptライブラリ

カレンダーUIを実装するJavaScriptライブラリの紹介です。
Webアプリ上の入力フォームに、日付を選択する項目を実装したときのこと。

input type="date" を使いたいのだけど・・・

HTMLのinputタグに、「type="date"」を指定すると、一部のブラウザではカレンダーUIを表示してくれますが、主要ブラウザすべてにサポートされるのはまだまだ先のようで、案件で使うのは難しそうでした(2016年1月現在)。
参考:Can I use... Support tables for HTML5, CSS3, etc
※この仕様自体が、WHATWGのLiving Standardsであり、HTML5の仕様として勧告されているわけではないので、ブラウザのサポートはなかなか進まないのかもしれません。

jQueryjQuery UIに依存したくない

カレンダー方式で日付を入力するUIとなると、まずjQuery UIのDatepickerが思い浮かびました。デザインも色々なパターンがあり、jQuery製ということで各種のブラウザ対応や安定性も保証できて良いのですが、最近はjQueryを使わないWebアプリの案件もあり、カレンダーのためだけにjQueryjQuery UIを読み込む、というのはあまり良い方法には思えませんでした。

「Kalendae」

それで、ピュアJavaScriptで動作するライブラリを探したところ、「Kalendae」というものに行き当たりました。
GitHubにコードとドキュメントがあります:GitHub - ChiperSoft/Kalendae: A javascript date picker that just works.

GitHubのスター数は1,700を超えており(2016年1月現在)、開発も止まっていないようなので、良さそう!ということで、使ってみることにしました。

特徴としては、

  • 依存ライブラリなし(※)
  • 単一の日付選択と、期間選択の両方が可能。他にもオプションはいろいろある。
  • click、changeなどのイベント取得や、リセットなど、必要になりそうなAPIはきちんと揃っている印象
  • 見た目はCSSでカスタマイズ可能
  • モダンブラウザとIE8に対応

※ドキュメントにも「依存はないよ」というようなニュアンスのことが書いてあるのですが、実際にはmoment.jsを使っています。ですがKalendaeにはstand alone版があり、こちらはkalendae.jsのコードにmoment.jsを含めて配布しているものなので、読み込むファイルはこれ1つで済みます。
(どちらもMITライセンスなので、ソースコードに丸ごと含めてしまっても問題ないわけですね。)
つまり、

  • 基本的には・・・stand alone版のkalendae.js
  • すでにmoment.jsを読み込んでいるよ、という場合は・・・moment.jsを含まないkalendae.js

を使えば良い、と思います。

ファイルサイズ

  • kalendae.js 34KB
  • kalendae.min.js 17KB
  • kalendae.standalone.js 132KB
  • kalendae.standalone.min.js 51KB

上記の他に、

  • kalendae.css 7KB
  • ボタン用のpng画像が1KB×2ファイル

(バージョン0.5.5で確認)

実装例

kalendae.cssとkalendae.standalone.min.jsを読み込んで、ボタン用の画像はCSSと同じ階層に置いておきます。
そこで以下のように書くと、

<input type="text" class="auto-kal">

こうなります
f:id:yuw27b:20160108230952p:plain

オプション指定例:

<input type="text" class="auto-kal" data-kal="format: 'YYYY/MM/DD', months: 2, mode: 'range', direction: 'future'">

f:id:yuw27b:20160108231824p:plain
(フォーマットを年/月/日、2ヶ月分表示、期間選択、未来の日付のみ選択可能)



jQueryなプロジェクトでカレンダーが必要なときは、しばらくはこのKalendarにお世話になろうと思います!

新潟へIターンしてWEBエンジニアをしている話

この記事は、地方在住ITエンジニア(元・地方在住も可) Advent Calendar 2015 - Adventarの19日目の記事です。

私が住んでいるのは新潟県新潟市で、政令指定都市ですので、カレンダーの「地方」の趣旨からするとちょっとぎりぎりですが、

ということで、多目にに見てもらえたら幸いです。

アラサーWEBエンジニア。
最近は、JavaScript4割、CSS3割、Ruby2割、PHP1割くらいの感じで書いてます。

東京から新潟へ

3年前まで東京でECサイトの制作をやっていましたが、結婚を機に新潟へ引っ越すことになりました。
引っ越すこと自体に不満はなかったのですが、「仕事どうしよう・・・?」というのは頭に浮かんでいました。

当時の会社から、リモートで続けるか、みたいな話もあったのですが、

  • 業務内容がちょっと希望の方向とずれてきていたこと
  • 家族以外に友人・知人のいない土地でいきなり在宅勤務では、完全に引きこもりになりそうなこと

から、きっぱり退職させてもらうことにしました。(今思えば少しもったいなかった気もしますが・・・)

新潟の求人

当時勤務していた会社は、採用したいときにはFind Job!を利用していたので、自分もここで新潟県の求人を検索してみましたが・・・
検索条件の「勤務地」のところに新潟県はないんですね。北陸と東北がありますが、その中に新潟県の求人は0件です。当時、約半年にわたってときどきチェックしてましたが、いつ見ても0件でした。
引っ越してから分かりましたが、こっちの求人は何と言ってもハローワークなのでした。

WEBエンジニアで探した求人の印象は、

  • 新潟県の平均給与額は東京都の7割くらいなので、IT関連でも同じくらいの感覚。
  • ただし、最先端の技術を求める求人が少ないので、高給なエンジニア職は見つけにくそう。
  • 車がないと通えないところに会社があるのは普通のこと
  • 自動車免許必須のところが多い(会社には電車で通えたとしても、客先には車で行く)
  • WEB制作専門で規模の大きな会社は少ない(10人以下が多かったと思う)
  • もう少し規模の大きなところだと、WEB以外の事もやっていてWEB部門もあるよ、っていう会社

東京に比べると数が圧倒的に少ないので、希望に合う求人が出るまで待てるかどうかが重要かもしれません。

今の働きかた

パートタイムのエンジニア(WEB専門の会社ではない)+フリーランス に落ち着きました。
ハローワークのIT関係の相談員さんに「パートでもいいんですけど」って言ったら、「そんな人は初めてです」って言われた記憶があります(笑)。ですが「事務職のカテゴリのほうにも、プログラミングが活かせる仕事がありますよ」っていうアドバイスは的中しました。そういえば、当時ハローワーク自体が車がないとかなり行きにくい場所にありました。

フリーランスのほうは、東京のWEB制作会社さんや、新潟のセミナー・勉強会で知り合った方から発注いただけている状態です。

現状には満足&感謝してますが、将来的には東京の会社に雇用してもらって新潟でリモートワーク、が理想かなあ・・・などと考えたりもしています。
これは新潟が、とかではなくて、私がそこまでフリーランス向きではない気がするからです。

東京に比べて困ること

だいたい他の方々が書いていたことと同じですが、

  • 技術書を売っている本屋さんが少ない
  • 勉強会などが少ない(でも、あることはありますよ!)
  • もし転職するとなると選択肢が少ない

といったあたりです。
また、私はある程度東京でエンジニア経験ができていて、情報収集の仕方とか、自分の目指したい方向とか、多少なりとも分かっているから地方でやれている部分もあると思います。新米エンジニアだったらどうだろう・・・、というか、新潟で生まれ育っていたらエンジニアにすらなっていなかったのでは?という気がします。


新潟FAQ

※他のかたのブログでおもしろかったので、僭越ながら東京でよく聞かれる質問集を(3年しか住んでないけど)。

  • お米とお酒でしょ?

まあそうです。お米は本当においしいです!それ以外にもたいていの野菜と果物、肉、魚、卵と県内産のものが手に入ります。

  • 雪がすごいんでしょ?

新潟市内はそうでもないです。屋根の雪を降ろすなんてことはあり得ません。積もっても備えがあるので、そこまで困ることは(今のところ)ないです。

  • 生活費は安い?

家賃や駐車場などは安いです。食費も、野菜、魚などをよくもらうので安いと思います。ですが、上にも書きましたがその分給与水準が低いので、余計にお金が貯まったりということはないです。

  • 車がないと生活できないの?

新潟市内だと、車なしでも生活はできると思います。が、車がないと行かれないレストランとかお店とかたくさんあるので、そのあたりの選択肢はだいぶ減ります。
あと、冬はスタッドレスタイヤ必須です。

  • 新潟弁てあるの?

あります。しかも地域によってけっこう違うようです。
私の場合、おばあちゃんと会話するのがけっこう大変で、最初の頃は半分くらいしか理解できませんでした。
逆に若い人は共通語に近い話し方をしている印象です。

  • 東京に戻ってこないの?

今のところ戻るつもりはないです。
仕事も、どうにもならなくなったらIT関連じゃなくても仕方ないかなあ、くらいに思っています。
もちろんエンジニアを続けられたら理想的ですけどね!



明日は@takushinoharaさんです。よろしくお願いします!

SVGを描くJavaScriptライブラリ

この記事は、SVG Advent Calendar 2015 - Adventarの15日目の記事です。

チャートやグラフ用のJavaScriptライブラリはどれがいいんだろう?

2015年は「Ajaxで取ってきたデータを、SVGのチャートやグラフにして表示する」という作業をわりとたくさんやりました。
実装方法もいろいろやっていて、

などなど・・・。
小規模サイトだったり、公開範囲の限定されたサイトだったり、という事情に甘えて、色々なものに手を出した感じですね(笑)。

ピュアJavaScriptは、まさに13日のこちらの記事(気づいて築く: パイチャートのSVG仕立て 〜アニメーションを添えて〜)みたいなことを四苦八苦しながらやってました。

どれがベストかは、ケースバイケース、だとは思いますが、
「普段使ってるようなWebサービスはどうやって実装されてるんだろう?」と思って、いくつかソースコードを見てみた、というのがこの記事です。

GitHub

f:id:yuw27b:20151215232116j:plain
※各リポジトリの「Graphs」タブのところ

Google Analytics

d3.jsも使っているというのがちょっと意外でした。

StatCounter

このライブラリは有料のよう。

SimilarWeb

Lazy Line Painterというのは、線のアニメーション用みたいですね。

Qiita

f:id:yuw27b:20151215232124j:plain
※ユーザーの「投稿タイプ」のパイチャートのところ


2016/1/26追記:
UIがリニューアルされましたね!
f:id:yuw27b:20160126211924j:plain
新しいチャートは、d3.jsのラッパーライブラリc3.jsを使用しているようです。
ちょうどIE8のサポートも切れたので、Raphaëlである必要がなくなった、ということかもしれません。




RaphaëlはIE8でも表示できるので重宝してました。
最近はIE8対応不要なケースが増えて、私はあまり使わなくなってしまいましたが、
Raphaëlの作者さんがSnap.svgを作っているので、今度はそちらでお世話になろうと思います。

d3.jsは一番よく見かけるし、サンプルも多くて便利だな、と思います。
反面、サンプルそのままで事足りてしまうケースも多くて、そうすると「いかにもd3.js」な見た目になるので、
ゼロベースで実装できるように勉強したい・・・というのを来年の目標にしようと思います。


また見つけたら追記します!
普段、いろいろなところでSVGのチャートを見ている気がしていましたが、いざ探そうとすると思い出せないものですね><




12/16追記:
SVG Advent Calendar、翌日16日は空きだった・・・と思いきや、
カレンダーの作成者でもあるrikuoさんがSVGでFizzBuzz(XSLT版) - 週刊SVGという記事をアップされていました。XSLTでプログラミングしていてすごい・・・!
もしかして簡単なチャートならJavaScript使わなくても書けちゃったりするんでしょうか。画像でもありテキストでもあるSVGって本当におもしろいですね。

writing-modeがFirefoxでも使えるようになっていた

CSSで縦書きテキスト

CSSのみで縦書きテキストを実現するには、writing-modeプロパティを使いますが、Firefoxだけが長いあいだ未対応でした。
Can I use... Support tables for HTML5, CSS3, etc

2015年11月現在、この仕様は勧告候補の段階なので、ブラウザによってベンダープレフィックスが必要だったり、指定する値の記述方法がばらばらだったりもします。
そして、未対応だったFirefoxは、バージョン41からは標準で対応するようになったとのこと(ベンダープレフィックスもなし!)。
Firefox 41 for developers - Mozilla | MDN

ほぼ全てのブラウザが対応したことに

IEは(値の記述方法は独自仕様ですが)6から使えますし、ChromeSafariはベンダープレフィックス付きで対応しているので、Firefoxが対応したことでほぼ足並みが揃ったことになります。

現時点で各ブラウザに対応させるには、こんな感じになります。

writing-mode: tb-rl; /*IE*/
-o-writing-mode: vertical-rl; /*Opera*/
-webkit-writing-mode: vertical-rl; /*Chrome, Safari*/
writing-mode: vertical-rl; /*Firefox, Edge*/

※縦書きで、行が右から左へ進む場合の指定方法です

まだフォールバックが必要?

writing-modeに対応したFirefox41のリリースは2015年9月22日と(これを書いている時点からすると)かなり最近なので、基本的に自動アップデートがかかるとはいえ、まだ40以前のバージョンのユーザーもいるかも?という不安もあります。
さらに、FirefoxにはESRという法人向けの延長サポート版が存在していて、こちらはまだバージョン38です。これが2016年5月末までのサポート予定とのことなので、やはりそれまでは何かしらフォールバックを用意したほうが良さそうです。

フォールバックも書いてみた

縦書きのテキストが横書きになってしまった場合、コンテンツのレイアウトにかなり影響が出るので、それを回避するべく以下のような方法をとりました。

  • writing-modeが使えない場合、横書きのテキストを90度回転させる
  • 回転はCSSのtransformプロパティで行う(これはFirefox16から対応している)
  • ブラウザがFirefox40以前かどうか、という点はJavaScriptで判別する

日本語の場合はテキストが横倒しになるので、writing-modeが適用された状態と全く同じにはなりませんが、フォールバックということで、そこまでの対応としました。

Chrome(writing-modeに対応)
f:id:yuw27b:20151110231711j:plain

Firefox38(writing-modeに非対応)
f:id:yuw27b:20151110231718j:plain

HTML

<div class="box">
    <p class="text">日本語のテキスト<br />改行</p>
</div>


CSS

.box {
	margin: 20px;
	border: solid 1px #E00;
        line-height: 0;
}

.text {
	display: inline-block;
	margin: 0;
	font-size: 18px;
	line-height: 1.5;
	color: #000;
	background: #CCC;
	writing-mode: tb-rl;
	-o-writing-mode: vertical-rl;
	-webkit-writing-mode: vertical-rl;
	writing-mode: vertical-rl;
}

.text-rotate { /*writing-mode fallback*/
	transform-origin: 0 0;
	transform: rotate(90deg) translateY(-100%);
}


JavaScript(※DOMを読み込み終わってから実行)

  var ua = window.navigator.userAgent;
  if (!('indexOf' in Array.prototype) || ua.indexOf('Firefox') === -1) {
    return;
  }
  var browser_str = ua.match(/Firefox\/.*$/);
  var version = parseFloat(browser_str[0].replace(/^Firefox\//, ''), 10);
  if (version < 41) {
    document.querySelector('.text').classList.add('text-rotate');
  }

包含ブロック(.box)に赤い枠線を、テキストの要素(.text)にはグレーの背景をつけました。
テキストの要素(.text)に「display: inline-block」を指定しているのは、rotateを使用した(フォールバックの)場合に、.textの高さが.boxの横幅100%になってしまうからです。

また、画像で分かるように、rotateを使用した場合は包含ブロックの高さは伸びません。
包含ブロックがテキストの要素(.text)よりも縦に長い場合は問題ありませんが、必要に応じてmin-heightを指定するなどすると良さそうです。